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パワーステアリングフリュードの役割

 パワーステアリングの機能とは、油圧によってステアリング機構の動きを補助してやるものです。つまり、パワーステアリングフリュードは油圧の作動油として使われているものです。
 パワーステアリングの力は、オイルポンプによって作り出され、圧力は60s/p2程度となります。高圧ではありますが、温度はそれほど高くなるものではなく、同じく油圧を作動油として使うブレーキフリュードのように温度特性は必要ではありませんが、安定性は要求されます。

メンテナンスの基礎知識

 パワーステアリングフルードの粘度指数は低いです。それは流体抵抗が小さくないとハンドルを切った時の反応が悪くなってしまうためです。もちろん、ポンプの負担が大きくなってしまうことも避けたいわけです。
 また、長期間使用されるため、酸化安定性能が高いことと、防錆性能が重要な性能といえます。
 パワーステアリングの機能や構造からいって、パワーステアリングフリュードが摺動によって、劣化したり、高温によって劣化するということはありません。実際に車体の定期点検整備においても、交換という指示はなされていないのが普通です。適正なパワーステアリングフリュードが使用されていれば交換の必要はなく、むしろ、オイルホース及びオイルパイプのオイル漏れやオイルタンクのキャップなどからゴミが入らないように気を付ける事が大切です。

日常のメンテナンス

 車両を水平なところに置き、アイドリング回転でハンドルを数回左右いっぱいに回し(据え切りということ)オイルを循環させた後、リザーバータンクのキャップをはずし、泡がたっていなければOKです。泡がたっていた場合は、エアー抜きが必要になります。その場合は、整備工場等に点検を依頼し適切な処置を行いましょう。
 パワーステアリングフリュードは基本的には交換は必要ありません。しかし、長い間車を使用していると、少しずつ減少してくるため、量のチェックをして補充を行います。

一口メモ

 パワーステアリングはオイルの圧力によってアシストの力が伝えられる仕組みになっています。ポンプによって圧送されるため、ジョイントなどから少しずつ減っていってしまいます。そのためステアリングポンプのオイルタンク部分には「MIN」と「MAX」のマークがつけられています。
 オイルが減ってくるとオイルポンプは空気もかき込み、作動の遅れなどとなって現れます。こんな状態にならないように、オイル量はMINレベルを切らないように補充をしましょう。また、補充時にはゴミの混入防止に気を付けることが必要です。
 パワーステアリングフリュードには、パワーステアリングオイルを使用する場合と、ATFを使用する場合があります。補充する場合はどちらのタイプか確認の上、補充ください。
 スポーツ走行などで、高温時、ハンドルの操作具合が変わる場合は、熱変化の少ないフリュードに交換をお勧めします。

交換の目安
通常使用 通常は無交換。汚れが目立った場合のみ交換
スポーツ走行使用 20000km〜50000km














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