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スパークプラグの役割

 スパークプラグは燃焼室に装着されて、混合気に点火するライターの役目を果たしています。ライターの役目を果たすために、非常に過酷な条件のもとで働いています。ガソリンエンジンのみです。ディーゼルエンジンにはスパークプラグはなく、グロープラグ(暖める為のプラグ)が付いています。

メンテナンスの基礎知識
 スパークプラグは燃焼ガスを直接受けて、加熱されます。また、吸入工程ではインレットバルブに近いので混合気によって冷却されます。このため、加熱と冷却を繰り返し受けます。
 混合気の爆発によって50気圧(5MPA)がスパークプラグにかかります。このため燃焼ガスの漏洩を防ぎ、また圧力に耐える強度が必要です。
 スパークプラグは、燃焼ガスを受けて、温度が上がります。必要以上に加熱されますと、発火部の温度が上がりすぎて電極の溶け、磁器割れ、あるいはエンジンに大きなダメージを与えます。温度が上がりすぎないように熱を逃がす必要があります。この、熱を逃がす度合いのことを熱価といいます。(スパークプラグの最適使用温度範囲は450〜850℃です)
 汎用エンジンのように出力が小さいと、プラグの温度が上がりにくい為、低熱価プラグ(プラグの温度が上がりやすい)を、また、レース用エンジンのように高出力車には、高熱価プラグ(プラグの温度が上がりにくい)を使用します。
日常のメンテナンス
 通常プラグの場合、1年毎、1万kmを目安に点検してください。焼け具合、磨耗、ギャップを見てください。
 焼け具合は、くすぶり(プラグ先端が黒く湿ったような状態や、大量にカーボンの付着した状態)や、焼けすぎ(プラグ先端が白くなったり、溶けかけた状態)がないかをチェック
 磨耗状態はプラグ先端の円柱の部分の角が無くなって丸くなっていないか、消耗して細くなっていないかチェック
 ギャップとは火花を飛ばす隙間の距離です。プラグによって違いますが、プラグの品番の最後に”-9”や”-11”とあります。”-9”が0.9mm。”-11”が1.1mmです。広すぎたり狭すぎると良い点火がえられません。
 プラチナ(白金)プラグ、イリジウムプラグは基本的に10万kmメンテナンスフリーです。
 締め付けトルクは指定されています。
  
ネジ径 締め付けトルク
(アルミヘッド)
締め付け角度
(ガスケットがヘッドに当たってから)
新品使用時 再使用時
8φmm 0.8〜1.0kgm 120° 30°
10φmm 1.0〜1.2kgm 180° 30°
12φmm 1.5〜2.0kgm 180° 30°
14φmm 2.5〜3.0kgm 180°〜240° 30°
18φmm 3.5〜4.0kgm 180°〜240° 30°
GDIエンジン 120° 30°
ガスケット無しタイプ 22.5° 22.5°
一口メモ
 プラグがくすぶって(かぶって)しまった場合、ワイヤーブラシなどで、清掃してやれば復活すると思われがちですが基本的に性能は復活しません。完全にくすぶってしまった物はエンジンぐらいは始動出来るようになる事はありますが、本来の機能はでませんし、プラグクリーナー(プラグの先端に細かい砂を吹き付けてカーボンを落す機械)などを使うのが正式な清掃のしかたです。プロでもワイヤーブラシを使う事はありますが、経験の少ない人がすると、かえってプラグを損傷させたり、ワイヤーブラシの破片がプラグに残り、トラブルをまねきます。また、プラチナプラグや、イリジウムプラグは先端に小さなチップがついていますので、ワイヤーブラシなどでは擦らないでください。
 チューニングエンジン用のプラチナプラグや、イリジウムプラグは通常プラグと同じくらいしか耐久年数がありません。
 熱価ですが、エンジンのチューン状態や、車両の使用状況に応じて高熱価(冷え型)プラグに変更する必要があります。熱価を決める場合は、お店の人とよく相談してください。
 数字が大きい方が高熱価(冷え型)タイプです。チューニングエンジンの場合、NGKなら7番〜11番、デンソー製なら22番〜31番程度になります。
 ロータリーエンジンは通常のプラグより消耗が激しい上、着火性もよくありません。通常、1ローターに付き二本の熱価の違うプラグが装着されています。
交換の目安
通常プラグ・レース用プラチナプラグ・レース用イリジウムプラグ 15000km〜20000km    
プラチナプラグ・耐久イリジウムプラグ 100000km           
軽自動車 7000km〜10000km
2輪自動車 3000km〜5000km